XF8mmF3.5 R WR レビュー|風景は最高、人物は要注意。初めての超広角で気づいたこと
夏の終わり、家族で海に行く日にカバンに忍ばせたのが、このレンズでした。
富士フイルムの XF8mmF3.5 R WR。35mm判換算で12mm相当という、XFレンズの中で一番広い画角を持つ超広角単焦点レンズです。僕にとっては初めての超広角。35mm前後の単焦点ばかり使ってきたので、ここまで広い世界は未知の領域でした。
海、川、渓谷。家族と過ごした夏の記録をこのレンズで撮ってみて、「おー、これはすごい」と感動した場面と、「あ、ここは気をつけないとダメだな」って気づいた場面、どっちもあったのでご紹介してみたいと思います。
なぜこのレンズを買ったのか
買った理由は3つあります。
まず、広角レンズを1本も持っていなかったんですよね。35mmの単焦点ばかり3〜4本持っているくせに、広角はゼロ。前からずっと気になってはいたんですけど、なんとなく「広角って難しそう」ってイメージがあって手を出せていませんでした。
で、旅行とか家族で出かけるときに、「もっと広く撮りたい」って場面がけっこうあって。海とか川の自然の風景をダイナミックに撮りたいなって思うことが増えてきたんです。35mmで風景を撮ると、どうしても見たままの「ふーん」って感じになるじゃないですか。もっとこう、目の前のスケール感をそのまま写し取れるレンズが欲しかった。
最終的に、富士フイルム純正で超広角の単焦点はこれしかないっていうのが決め手でした。XF8-16mmF2.8っていうズームもあるんですけど、あっちは805gで20万円超え。さすがに散歩や旅行に気軽に持ち出すサイズじゃない(笑)。こっちは215gで9万円台。試してみるにはちょうどいいかなと。
基本スペック

| 項目 | XF8mmF3.5 R WR | XF8-16mmF2.8 R LM WR |
|---|---|---|
| 焦点距離 | 8mm(換算12mm) | 8-16mm(換算12-24mm) |
| 開放F値 | F3.5 | F2.8 |
| レンズ構成 | 9群12枚 | 13群20枚 |
| 絞り羽根 | 9枚 | 9枚 |
| 最短撮影距離 | 0.18m | 0.25m |
| フィルターサイズ | 62mm | ―(出目金) |
| サイズ | φ68mm × 52.8mm | φ88mm × 121.5mm |
| 重量 | 215g | 805g |
| 防塵防滴 | ○(-10℃対応) | ○(-10℃対応) |
| 価格(2026年4月) | 約92,000円 | 約200,000円〜 |
215gって、みかん3個分くらいですかね。X-E5につけてもまったく重さを感じない。
あと地味にうれしいのが、62mmのフィルターが使えること。XF8-16mmは前玉が出っ張っていてフィルターがつけられないので、NDフィルターで長秒露光したい人にはこっちのほうが使い勝手がいいです。
外観と携帯性
X-E5に装着した状態。

持った瞬間、あ、小さいなって。全長52.8mmなので、パンケーキとまでは言わないですけど、超広角レンズとは思えないコンパクトさです。
鏡筒は金属製で、絞りリングにはAポジションのロック付き。このへんはXFレンズらしいしっかりした作り。防塵防滴で-10℃対応なので、海辺とか水しぶきが飛んでくる川辺でも安心して使えました。実際、この日も子どもが水遊びしてるすぐ横で撮ってたので、防滴はありがたかった。
前玉が出っ張っていないのもポイントで、カバンの中でぶつかって傷つく心配が少ないです。気軽にポンと入れて持ち出せる。
海で撮ってみた

いや、これはマジで感動しました。広角すごー!
ファインダー覗いた瞬間に、「おー、こんなに入るの」ってなって。目の前の海、空、島、全部が1枚に収まる。35mmだとこうはいかないですよね。
超広角の何がいいかって、空の広さがちゃんと写ること。普段のレンズだと空って「ちょっと入ってる」くらいなんですけど、8mmだと空がドーンと主役になれる。夏の入道雲とか、朝焼けとか、空を主役にしたい場面ではこのレンズの独壇場だなと思いました。

この写真なんか、湾の向こうの山、手前の海、橋、全部入ってます。肉眼で見てる以上の情報量が1枚に詰まってる感じ。
ちなみに超広角だと水平を取るのがすごく大事で、ちょっと傾くだけで違和感がすごい。X-E5の電子水準器を常時ONにして撮ってました。これ、慣れるまではONにしておいたほうがいいです。
川・渓谷で撮ってみた

海のあとは川へ。渓谷の河原に降りて、見上げるように撮ったのがこの1枚。
手前の石畳から、奥の赤い橋まで全部入る。超広角のパース(遠近感の強調)が効いて、実際よりもダイナミックに見えるんですよね。これが面白い。

この写真は橋の全景と渓流をまるごと収めたもの。こういう「この場所の空気をまるごと持ち帰りたい」って思うような場所で、超広角は本当に頼りになります。
そうそう、8mmって被写界深度がめちゃくちゃ深いので、F5.6〜F8くらいに絞ればほぼパンフォーカスになります。風景撮影ではピントをそこまで気にしなくていいのも楽でした。
良かったところ
一番良かったのは、やっぱり風景のスケール感。海でも川でも、「この場所の広さ」を写真で伝えられるのは超広角だけの特権だなと。
描写も想像以上にしっかりしていて、中心部の解像感はかなり高いです。F5.6あたりまで絞れば周辺まできっちり写る。9万円台のレンズでこの描写なら文句ないかなと。


あと意外だったのが、スナップにも使えること。この海の家の写真みたいに、被写体に近づきつつ周囲の雰囲気も全部入れられる。35mmだとこの距離感では旗しか写らないので、「場所ごと切り取る」感覚は新鮮でした。
それから逆光耐性がかなり高い。超広角って画角内に太陽が入りやすいんですけど、変なフレアやゴーストが出にくかったです。海辺の逆光でもストレスなく撮れました。
気になったところ
正直に言うと、人物の歪み。これは覚悟していたけど、やっぱり気になりました。

画面の端に人を入れると、体や顔が引き伸ばされたように写る。中央に立ってもらえばそこまでひどくないんですけど、動き回る子どもを超広角で撮ると、どうしても端に来ちゃう場面がある。

室内でも同じで、テーブル越しに家族を撮ると歪みが出ます。記録としてはいいんですけど、「きれいに撮れた」とは言いにくい。人物メインで使いたい人には正直向いていないです。
あとは、F3.5スタートなので暗所にはちょっと弱い。室内や夕方以降はISO感度が上がりやすくなります。まあ風景メインのレンズだと思えば、そこまで気にならないですけどね。
あともう一個、地味に気になったのがフードが大きくて本体が浮くこと(笑)

見てください、このフード。本体より存在感ある(笑) 机に置くとフードのほうが大きくて、カメラの手前側が浮いちゃうんですよね。レンズ本体は215gと軽いんですけど、テーブルに置いたときとか「あれ、なんか不安定だな」ってなります。まあ、愛嬌ですね。
こんな人におすすめ/注意が必要な人
おすすめな人
- 旅行や家族のお出かけで風景をダイナミックに撮りたい人
- 海・山・川など自然の中で撮ることが多い人
- 超広角を試してみたいけど、大きいズームレンズは嫌な人
- Vlogの自撮り用に広い画角が欲しい人
注意が必要な人
- 人物メインで撮りたい人(端の歪みが避けられない)
- 暗所で開放F値を使いたい人(F3.5は明るくはない)
- 構図を考えずにパッと撮りたい人(水平・構図に気を遣う)
実際に撮った写真
最後に、このレンズで撮った写真をもう少し載せておきます。

余談なんですけど、車の中でも試しに撮ってみたら、後部座席まで全部入りました。換算12mmの画角、車内でも活きる。家族旅行の移動中の記録にもなるなと。

ちなみに最短撮影距離が18cmなので、けっこう寄れます。超広角でラーメン撮る人あんまりいないと思いますけど(笑)、テーブル全体を入れつつ手前の料理にピントを合わせる、みたいな撮り方ができて面白かったです。
まとめ
XF8mmF3.5 R WR、正直に言えば万人向けのレンズではないです。画角が広すぎて余計なものが入るし、人物は歪むし、構図を考えないと散漫な写真になる。
でも、ハマったときの気持ちよさは他のレンズにはないものがあります。海の広さ、渓谷のスケール感、空の大きさ。「この場所に来てよかったな」って思う瞬間を、そのまま1枚に閉じ込められる。
215gで防塵防滴で9万円台。超広角の入門としては、かなり手を出しやすい1本だと思います。僕みたいに35mm前後ばかり使ってきた人が「ちょっと違う世界を見てみたい」って思ったら、試してみてほしいなと。
こういう新しい画角に挑戦してみると、いつもの散歩コースとか旅行先が全然違って見えるんですよね。カメラってやっぱり楽しい。
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